知ることで救える犬の命。

今改めて考える、犬との幸せな出会い方

ペットショップで毎日子犬が買われていく一方で、全国の保健所などでは年間1万5千頭を超える犬たちが殺処分されています。このひずみを少しでも解決するために、私たちにできることとは?  さまざまな動物保護団体の垣根を越えて、飼い主のいない犬や猫が新しい飼い主と出会うための“場”を提供している、一般社団法人『Do One Good』代表理事の高橋一聡さんと理事の松原賢さんに話を聞きました。

手放さないだけでなく、引き取ることが大事

犬の殺処分を減らす取り組みというと、「犬を手放さないで」と訴える活動がいちばんに思い浮かぶかもしれません。ところが、2015年度の環境省の統計によると、実は飼い主によって自治体の保健所などに持ち込まれた犬は、引き取られた頭数全体の約14%にすぎません。 犬を手放す人を減らすだけでは、殺処分は劇的には減っていかないのです。

殺処分を減らすために私たちにできることの一つは、犬と暮らしたいと思ったときに飼い手のいない犬・保護犬を引き取るという選択肢を検討すること。 ひとりが引き取る犬は1頭だったとしても、そういう人が10人、50人、100人……と少しずつでも増えていけば、殺処分される犬は少しずつ減らすことができるはずです。 引き取り手が増えれば、やむを得ない場合には犬を手放すことも、必ずしも悪いことではなくなるかもしれません。

被災地支援を行ったご縁で預かることとなった熊本県の被災犬、アースとマーズ

毎週末、保護犬に会える場所がある

ほぼ毎週末、街なかで保護犬に出会える場を提供しているのが、一般社団法人『Do One Good』です。主に東京・青山や横浜で開催されている譲渡会『Adoption PARK』では、犬たちはサークル内で自由に過ごしており、その遊び回る姿を見たり、希望者は実際に触れたりもできます。 「保護犬というと、年を取った雑種の中・大型犬で、病気だったり吠えて噛んで困る、というイメージを抱かれる方が多いようですが、実際には純血種の小型犬も多いんです。だから、サークル内で遊んでいる犬たちを見て、『こんなところにドッグランがあるのね』と勘違いされることもよくありますね」と理事の松原賢さんは話します。

主な会場は、毎週日曜に東京・青山の国連大学前で開催されているFarmer’s Market@UNUと、横浜そごうで開催されているココカラ・リオーネ。Do One Goodが場所を用意し、毎回1つの動物保護団体が保護犬猫たちを連れてきて、出会いや譲渡の場を作っています。 「犬や猫と暮らしたいと思った人が、ペットショップから買う以外の選択肢を、選びやすい形で提示したいという思いで開催しています」 と、代表理事の高橋一聡さん。

まだ具体的に引き取る予定がなくても、ただ犬たちに会いにいったり、その場で募金をしたりもできます。

青山・恵比寿・横浜・駒沢などで定期的に開催される譲渡を目的としたDo One Goodの「Adoption PARK」

”殺処分ゼロ”ってどういうこと?

環境省の統計によると、2015年度に全国の保健所などで引き取られた犬は46,649頭、そのうち殺処分された犬は15,811頭にのぼります。最近は、動物販売業者への規制が厳しくなるとともに、自治体の中にも”殺処分ゼロ”を目指す取り組みが広がり、殺処分される犬の数は年々減少傾向にあります。

出典:「統計資料  犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」(環境省)

ところが、殺処分されなかった犬たちの行き先はというと、必ずしも一般家庭ではなく、その多くは動物保護団体に引き取られています。殺処分の期限付きである保健所と比べて、保護団体に引き取られれば、殺されてしまうことはありません。しかし、今後保護犬の飼い手が増えていかなければ、保護団体の収容頭数にも限界があるうえ、犬たちは保護施設の犬舎の中で一生を送ることにもなりかねません。

見かけの”殺処分ゼロ”が達成されるだけでは、解決しない問題もあるのです。

犬が好きかどうかは関係ない。できることで関わる。

動物の殺処分を減らすために大切なのは、社会の中でより多くの人がこの問題に関心をもち、できる範囲で力を貸すことです。 「なんといっても必要なのは、やっぱり人手です。例えば保護犬のフォスター(一時預かりボランティア)※なら、散歩をする人、トレーニングをする人、日常生活の世話をする人など1頭に対して3人体制でもいいと思うんです。その他にも、譲渡会の設営をする、保護犬の飼い主を探すための写真を撮るなど、この問題にはいろいろな関わり方ができます。

Do One Good代表・高橋一聡さん(右)と、 理事の松原賢さん(左)。そして熊本地震で被災した犬たち。

殺処分の問題に関心を持つ人が増えて、みんなで連携しながらひとりひとりが自分にできることをしていけば、将来的にばくだいな資金や大きな保護施設がなくても、殺処分を減らせるのではないでしょうか」と高橋さん。

日本の社会が動物をどう扱うか。この問題では、個人個人が動物が好きかどうかにかかわらず、日本の社会全体のモラルのあり方が問われています。


※フォスター(一時預かりボランティア)とは
保護された犬猫に新しい飼い主が決まるまでの間、自宅などでお世話をする人のこと。Do One Goodでは、一般社団法人クリステル・ディ・アンサンブルの主催する『フォスターアカデミー』に協力し、動物にかかわるボランティア活動に従事する人を育てる活動をしています。フォスターアカデミー フェイスブックページ


“一日一善、日々発犬” 一般社団法人『Do One Good』
  健全で持続可能なペットとの出会いの場『Adoption PARK』を運営。譲渡会の開催スケジュールなど最新情報を掲載しています。


撮影 堀口宏明/取材・文 山賀沙耶

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掲載期間:2016年11月15日~終了日未定

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