東京2020大会に向けて盛り上がる首都圏でのボランティア 

「4時間のボランティアで音楽イベントに参加できる、ロックコープス との取り組み」

東京2020オリンピック・パラリンピックまであと2年。ボランティアに興味を持つ人々が増えている昨今、誰もが歩きやすいまちづくりを実現すべく、バリアフリーマップ作成を行っている「NPO法人 リーブ・ウィズ・ドリーム」理事長・金子久美子さんに話を伺った。

まちにあふれているバリアを知る

国内外から多くの人々が東京を訪れることが予想される東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、首都圏ではバリアフリー化を推進する取り組みが進んでいる。そんな中、8年前からまちのバリアフリーに関する調査を行い、バリアフリーマップを作成し続けているのが「NPO法人 リーブ・ウィズ・ドリーム」理事長・金子久美子さん。活動を始めたきっかけは子育て中にベビーカーでまちを歩く困難さに気づいたことだった。

NPO法人リーブ・ウィズ・ドリームは「歩きやすいまちって何だろう?」をテーマに、歩行困難者、車いす利用者、乳母車を利用する方などにまちに出て、出来るだけ安全に出来るだけ安心にまちを歩いて頂こうという趣旨でバリアフリーマップの作成を行っています。

「自分一人だと簡単に歩ける道でもベビーカーだと通れなかったり、遠回りしないといけなかったりと、不便さに気づきました。困っている人に対して、情報を発信できないかとママ友に誘われて始めたんです」。
まちを歩いて調査していくことで、道路に段差があったり坂が多いなど、バリアだらけという現状が見えてきた。

「地下鉄の駅にエレベーターがあったとしてもホームまでは降りられなかったり、エレベーター自体があっても、後から設置したことで車椅子でも使えるトイレが階段側にしかなくて利用できないことも。それでは意味がありません。病気などによって人工肛門・人工膀胱を造設しているオストメイト対応トイレがないこともまだまだ多いです」。
活動を支えているのはボランティア。車椅子に乗って、歩道の傾斜や段差の計測、車椅子やオストメイト対応トイレの有無、エレベーターの有無などを詳細に調べていくが、調査を通して多くの発見があるはずと金子さん。その発見は歩きやすく住みやすいまちづくりへと繋がっていく。

「車椅子に初めて乗るという人も多く、参加したボランティアの方から視点が変わりましたという声をよくいただきます。2cmくらいの段差でも大変なんだと感じたり、道に傾斜があることに初めて気づく。調査することでみんなが優しくなれるし、調査結果を行政側に伝えることでバリアが認識されて、少しでもまちが変えられるといいと思っています」。

4時間のボランティアが完了したら「セレブレーションチケット」が配布されます。

出会いをきっかけに活動を広げていく

神田駅周辺の調査から始まった活動も、現在ではエリアが拡大。2017年には千代田区全地区のマップが完成し、2018年には中野周辺のマップも出来上がった。『東京バリアフリー情報』というホームページでも駅や公共施設のバリアフリー設備設置状況やマップの情報を発信。参加するボランティアも増え、学生や会社員、シニアなど幅広い人々が関わることによって、新しい視点やアイデアが生まれ、使い勝手のいいマップへと変化してきたという。
「障がい者だけでなく、今後は老老介護という場面も増えていくわけで、地図を作る際は力が弱い人に合わせたマップを作ろうと意識しています。シニアのボランティア参加者から車椅子を押し続けると体力的に辛いから、介助者目線で休憩スポットを地図に入れたらいいのではというアイデアや、杖で歩くと大理石のような床は滑るから、そういう情報も入れようなど、参加者から気づきをもらっています。独自性が出たほうが使いやすくなるので、地域の方に必ず参加してもらって、その場所ならではの情報も盛り込んでいます」。

普段は交わることのない若者とシニアが協力しあうなど、コミュニケーションが広がることも多く、参加者のつながりによって深まっていったバリアフリーマップ作り。だからこそ、数多くの出会いをマッチングするロックコープスの取り組みはいいきっかけだと金子さんは考えている。
「ボランティアって第一歩が大事だと思うんです。まずは参加してみて、まちにはバリアがたくさんあって、困っている人がいるということがわかればいい。それに行動することで新しい出会いも生まれます。もともと千代田区のマップを作っていた我々が、中野のマップを作ったきっかけも参加者との出会いからでした。勤めている会社が千代田区にあったからボランティアに参加してみたけれど、住んでいる場所でもぜひ作りたいと声をかけてもらって。そんなふうにいろんな場所に広がっていけばいいと思っています」。

 仲間を増やして、アクションを広げていく。2020年に向けてバリアフリーの推進やボランティアへの意識は高まっているが、継続していくことが何よりも大切だと金子さんは語る。

「これからも私たちは淡々と続けるだけ。まちはどんどんと変わっていくから地図も更新していかないと意味がないと思っています。ボランティアも一つの組織にこだわることはないし、どういう形でもいいから関わって継続して欲しい。オリンピックの競技会場でボランティアをするだけがボランティアじゃないんです。

例えば『競技場周辺のマップを作ってみたい!』ってうちに声をかけてくれたら、一緒にボランティア集めて作ろうと活動が広がっていく。今あるものに参加するだけじゃなくて、自ら発信して動いて、広がりを考えてもらえるといいなと思っています」。

4時間のボランティアが完了したら「セレブレーションチケット」が配布されます。

開催概要 | RockCorps supported by JT 2018

【日時】2018年9月1日(土) 
【場所】幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2−1)
【参加資格】「RockCorps supported by JT 2018」が実施するボランティアイベントに参加した方
【出演アーティスト】
海外アーティスト:エリー・ゴールディング
国内アーティスト:BLUE ENCOUNT、KEYTALK、加藤ミリヤ、でんぱ組.inc

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